2008年11月1日
アキレスとカメ(二次元版)
学生がパズルのような問題を持ってきた。本人は「ゴキブリ問題」と呼んでいたが、何となく人間と置き換えておく。
問題:A、B、C、Dの4人がある正方形の4つの頂点に位置している。AはBを、BはCを、CはDを、DはAを追いかける。このとき、どのような運動になるか?
「答えは中心で出会うというのは直感で分かるけれども、どうやって計算すれば良いか?」ということであった。私も少し計算してみたが面白かった。軌跡は数値計算で描かせたが、いろいろと切り口があるだろう。中心で無限に追いかけ続けるという点で、有名な「アキレスとカメ」の二次元版と見ることができることに後で気がついた。
<計算結果>


以下備忘録。

上図のとおり、A〜Dは常に正方形をなすので、k回目にできた正方形の一辺の長さをak、人のステップ幅をxk、ずれていく角度をθkとすると
となる。k回目のステップ後におけるA〜Dの位置ベクトルをそれぞれ![]()
とし、k回目から(k+1)回目へのステップを示すベクトルを、![]()
とすると、(k+1)ステップ後におけるA〜Dの位置ベクトルは、
と表すことができる。
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2007年10月10日
ウィンターサイエンスキャンプ案内
財団法人日本科学技術振興財団主催の高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム
「ウィンターサイエンスキャンプ」の案内が届いた。
サイエンスキャンプは高専1〜3年生および高校生対象のイベントとなっていて、春休み、夏休み、冬休みと年に3回行われている。研究施設の場所の関係で参加が難しい場合もあるだろうが、参加費は無料で自己負担は交通費のみである(食事も先方で用意される)。
日常でのいろいろな体験が減っている(と思う)現代において、このようなイベントに高専生・高校生はぜひ参加してほしいと強く思う。
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2007年9月11日
立ち上がり跳躍する回転ゆで卵
今月の日本物理学会誌(2007,Vol.62,No9,p699-702)に「立ち上がり跳躍する回転ゆで卵」と題された話題が掲載されていた。回すと立ち上がってゆく「逆立ちコマ」は誰もが一度は遊んだことがあると思うが、ゆで卵を回すと立ち上がることは今の子ども達にはあまり知られていないかもしれない。
学会誌を読んで驚いたのはこの「回転卵の問題」の謎が解けたのは2002年とつい最近であったということ、さらにその立ち上がりには跳躍を伴っていることを実証したのがつい昨年ということであった。跳躍は微小のため人間の目では確認が難しいとのことだが、「エレベーターが上昇中突然止まったとき、自分がふと浮くように感じるであろう。あまりに急な停止であれば、体は自然に跳躍して宙に浮くことになるのだ。」という直感的な説明に納得。一般向けの書籍もある。
下村裕『ケンブリッジの卵〜回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか〜』慶応義塾大学出版会(2007年7月)
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2007年8月20日
一家に一枚 元素周期表
お盆中に教育雑貨店で見つけたポスターの紹介。「一家に一枚シリーズ」と銘打たれたそのポスターには「元素周期表」、「GENOME MAP」、「宇宙図」の3種類があるようだ。私が購入したものは「元素周期表」であるが(A2サイズで1枚100円)、この周期表の面白い点は例えば「Ca(カルシウム)」の箇所には骨の絵が書いてあったりと、それぞれの元素に関連した商品が絵や写真として同時に記載されていることであろう。このポスターはPDFファイルとしてWEBから入手できるのでもあるのでぜひご覧ください。
科学技術週間(文部科学省) > 一家に1枚シリーズ
http://www.pcost.or.jp/index7.html
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2007年8月19日
日本物理教育学会年会2007(2日目)
日本物理教育学会年会の2日目に参加。ポスター会場ではアイデア満載の自作実験装置が並んでいて、参加者は装置を実際に動かしてみたり、発表者と熱い議論を交わしたりと、一帯が大変な熱気に包まれていた。私が最も印象に残った装置は「硬球キャノン」。「ピンポンキャノン」を応用したもので、私でも作れそうである。変なアイデアが浮かんだので発表されていた方にも提案できたのだが、自分でも試してみたいところ。機会があればぜひ作ってみたい。
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2007年8月18日
日本物理教育学会年会2007(1日目)
日本物理教育学会の年会に初めて参加した。学会といえば一般的には大学教員の会員が多いのだと思うが、本学会は普通高校教員の会員も少ないことが特徴かと認識している。様々な視点から物理教育の面が見られるので大変有意義であった。次回は懇親会にも参加してみたい。
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2007年8月8日
国際科学オリンピック
放課後2時間テニスコートの草刈り。背丈ほどまで伸びている種類もあり、刈るのも大変だった。
「第38回国際物理オリンピック」や「第48回国際数学オリンピック」の日本代表選手が金メダルを獲得。また、「国際化学オリンピック」や「国際生物オリンピック」でもメダル獲得という明るいニュースが届き、科学の世界では大変盛り上がっている。高校生の受賞者の皆さん、おめでとうございます!
「第38回国際物理オリンピック」
http://www.phys-challenge.jp/
「第48回国際数学オリンピック」
http://www.mmjp.or.jp/jmo/
「第39回国際化学オリンピック」
http://icho.csj.jp/
「第18回国際生物学オリンピック」
http://www.jbo-info.jp/
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2007年6月30日
編入学試験問題を解いてみた
大変蒸し暑い中、昼過ぎまで部活。コーチも高専大会(於:都城高専)に一緒に来てくださることになった。thanks!
昼食後、某国立大学の編入学試験問題(物理)の解答を作ってみた。大問3問のうち、初めの2つ(慣性モーメント、LCR回路)は簡単にすぐに解けたのだが、3つ目の問題(光の干渉)は結構複雑であった。屈折率分布とか微小距離Δおよびδなどが登場していたが、大学低学年レベルの受験生はイメージが湧くのだろうか?
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2007年6月29日
無理数の語呂合わせ
昼休みの実験延長、放課後の再実験、補習、空調整備(担任業務)……、とよく働いた1日。大学編入試験の時期が近づいているため、最近学生から入試の問題の質問を受ける。某国立大学工学部の物理の問題の答えを月曜日までに作ってくれと頼まれた。この週末、思わぬ宿題を頂いてしまった。
1年生でルートの語呂合わせを知らない学生が結構いたのでプリントを作って配布した。2と3と5は必ず覚えておくこと!
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2007年5月15日
2年生補習
放課後、2年生の基礎物理学補習。予想よりもはるかに人数が少なかった。前期中間試験まであと17日というのは、学生達にとってはまだ余裕の範囲か。
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2007年4月26日
二色に輝くハトの首
日本物理学会誌が発行している雑誌JPSJの最近の注目論文として「二色に輝くハトの首の羽の秘密」という記事があった。ハトの羽根の「構造色」について述べた論文で、ハトの首はどのような照明条件で観察しても見える色は緑か紫のどちらかで、角度を徐々に変化させて観察すると、突然二色の間で色が移り変わることを物理的に解析したものである。
公園などでハトの首を改めてよく見てみたいと思う。
参考:日本物理学会誌 Vol.62, No. 4, p278 (2007)
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2007年3月1日
投てきの物理2:最大飛距離の計算
4ヶ月ほど前に「投てきの物理」と題して、高さhからの飛距離(水平距離)xを計算したが(20061013記事)、その際に増減表を書くことをサボっていた。昨日・一昨日の九大出張の際、帰りの電車の中で飛距離の最大値が解析的に解けるのかどうか試してみた。この話題はあまり教科書などで見たことがないけれども、非常に面白い話題であると思う。空気抵抗を考慮したり(たとえばソフトテニスボールの軌道)、逆に空気抵抗が無視できるような状況(例えばハンマー投げなど)で考えたり、現実を意識してゆけばまだまだ話を進められる。
以下に増減表を書くための途中式を載せた。途中せからしい部分もあるけれども、きれいに整ってゆく式変形に感動するはず!(高校数学の単純計算デス)
増減表は
となる。ただし
である。具体的な数値を入れて軌道を計算させたのが下のグラフ。最高飛距離とその角度は上の計算値の通りになった。
(2007.3.2式変形改定、2007.3.3グラフ追加)
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2007年2月21日
音声の波形
昨日届いたデジタルオシロスコープと先日届いていたマイクとを用いて、音声の波形を見てみた。自分の声の波形を見たのは実に初めてであり楽しめた。USBでオシロの波形データがPCに転送できるのは非常に便利である。
初めのグラフは「あ〜」という音声の波形を見たもの。縦軸にマイクから得た音声の振幅(電圧)、横軸に時間をとっている(時間0は音を出し始めた時間ではない)。電圧のピークが−0.010850 [s]、−0.0018800 [s]、0.0071100 [s]とあるので、「あ〜」という声の周期(の平均値)TはT=(0.008970+0.008990)÷2=0.008980 [s]、振動数fはf=1/T=111.4 [Hz]となる。
2番目のグラフは365 [Hz]のおんさの音の波形である。高調波等が混ざっている音声と違い、綺麗なサインカーブを描いているのがさすがだと思った。グラフから読み取った振動数も367 [Hz]となっており、つじつまがあっている。
「あ〜」以外の声や口笛などの波形を調べてみると楽しいと思うが、またの機会に。
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2007年2月5日
パンチ力の定義は?
先週はいろいろとあったので土日は重い気分であったが、学校に来てみたら一つ大きな心配事が解決していたので一気に気分が明るくなる。担任業務で一日終わる。
夕方4年生の男子が質問を持って遊びに来た。「パンチ力ってどうやって測ってるの?」とのこと。TVでボクサーのパンチ力を測ったり、ゲームセンターに行くと恐そうなお兄さんが殴っているあの装置のことを意識しているのであろう。原理としては運動量の変化と力積の関係(mv'−mv=FΔt)を使って力Fを算出しているのだと思うが、実際のところはどうなっているのか分からない。あの装置では力の単位として「kg」や「t」を使っているが、こちらも物理で言うところの「kg(質量)」なのか「kg重(力)」なのか非常に怪しいところである。力が加わっている微小時間のΔtもそう簡単に測れないであろうから、ある定数を与えているのかもしれない。さてさて真実(あの装置の力の定義)はいかに!?
と、ここまで書いたところでググって見るとやはり同じような疑問を持つ人がいた。いろいろな意見が書かれたページがあったので下に紹介しておく。装置のパンチ力の定義に依る話のであまり深く考えることでも無かろうと思うが、読んでいると結構面白い。
駄文18 パンチ力 1 t?
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kbys_ysm/dabun18.html
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2006年10月26日
無限にまつわるクイズ
九大で研究。ifortを導入してバージョンアップされたコードのコンパイルを試みる。まだインストールできていないが、あと一歩。
私は年度始めの講義で、書籍紹介しつつ物理や数学のクイズを出すのだが、その際よく「無限」にまつわる話をする。「自然数の中で偶数と奇数はどちらの数が多いか?」という質問をすれば結構盛り上がる。「自然数(偶数+奇数)と偶数ではどちらが多いか?」と追い討ちをかければなお良し。「無限」の面白さが分かってもらえるのではないだろうか。
無限にまつわる話は実は小学校で既に登場している。たとえば、1=1の両辺を3で割ったとき、左辺を分数で表すと1/3、右辺を少数で表すと0.333……。すなわち「1/3=0.333……」となって一見すると等号が成り立っていないように見える。小学生にして無限の概念を理解するのは難しいと思うけれど、当時は何も考えていなかったなぁ。
無限にまつわる話で、教育的に大変面白いものに「アキレスとカメ」の話がある。奥が深いのでまたの機会にぜひ紹介したいと思う。
【ヒント】
奇数:1、3、5、7 ……
偶数:2、4、6、8 ……
自然数:1、2、3、4 ……
偶 数 :2、4、6、8 ……
10x=3.333……
−)x=0.333……
9x=3 ゆえに x=1/3
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2006年10月25日
図書館におきたい基礎物理本
5時間授業、4時間補習、雑務を終えてやっと研究の時間となる。
図書館アドバイザーから「学生向けに購入したい本はないか?」と聞かれたので、取り急ぎ下の4冊を紹介しておいた。PCソフトやプログラムを利用して、基礎物理学の現象をシミュレーションしようとする本が最近よく本屋で並んでいる。有明高専の図書館にも1冊くらいあっても良いのではないかな、私も読んでみたいし。
・山本 将史、新田 英雄(著)『Excelで学ぶ基礎物理学』 オーム社 (2003)
・涌井 良幸、涌井 貞美 (著)『Excelで学ぶ物理数学―Excelの関数群とグラフィック機能で難解な物理数学が身近になる』ナツメ社 (2004)
・山田 盛夫 (著)『Visual Basicでわかる物理―物理とプログラミングの双方向理解を深める』CQ出版 (2003)
・Wendy Stahler (著)『ゲーム開発のための数学・物理学入門 Beginning Math and Physics for Game
Programmers』ソフトバンククリエイティブ (2005)
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2006年10月13日
投てきの物理
明日の学校説明会の準備・清掃のため、7限短縮授業。クラスでは気合を入れて掃除をしたので外庭と廊下がかなり綺麗になった。学生の皆さま、お疲れ様でした。
スポーツで投てきをやっている学生から、「遠くに飛ばすにはどのくらいの角度で投げたら良いのか?」という質問を受けた。「41°〜42°くらい」と即座に答えたら「えっ!45°じゃないの?」と驚いていた。空気抵抗を無視するならば簡単に算出できますぞ。
この話は「高さhの地点から、地面に対してθの角度にv_0の速さで物を投げた。最も遠くに飛ばすための角度はいくらか?」という問題と同じである。

となるので、確かに2θ=90°、すなわちθ=45°の時に最も遠くに飛ぶことになる。しかしながら、式(4)の括弧内第2項をみれば分かるように(sinθが分母にあるため)、高さ(リリースポイント)hが存在する場合、xを最大にするθの値は変わってくる。増減表を書いて解析的に求めることも可能であろうが(不可能かも?)、あくまで近似の話なので厳密にする必要もあるまい。サクッと具体的に数値を入れてみる。速さv_0 = 36 [ km/h ] = 10 [ m/s ]、高さh = 170 [ cm ] = 1.70 [ m ]、重力加速度の大きさg = 9.8 [ m/s2 ] として、縦軸にx [ m ]、横軸にθ[°]を取ると図1のグラフになる。θ=約41°で最大飛距離が出ている。ちなみに初速を半分の18 [ km/h ] = 5 [ m/s ]にして求めたのが図2のグラフである。θ=約33°で最大飛距離になり、図1の場合に比べてxの最大値をとるθの値が小さくなっていることが分かる。式(4)から明らかなように、初速が速くなれば速くなるほど( h/v^2 << 1) となりθが45°に近くなる。初速が速くなることで高さhが無視できるということだ。
これらの式を使ってまだまだ遊べるが今日はこの辺で。(2006.10.20追記訂正)

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2006年10月4日
楕円の回転・並進(改訂版)
本日から後期授業が始まり、さっそく5クラス分の前期末試験を返却した。クラス平均点が40点に達しなかった2年生達からの視線が冷たかったが、こちらとしてはこの状況は初めから分かっていたことなので全く気にならない。後期は危機感をもって取り組んでおくれ。
放課後は体育系クラブ指導者研修会(リーダー研修会)。このイベントは各部の新キャプテンを中心に学生と顧問を招いて行われるもので、昭和60年から22年間続いているそうな。講演したF田先生の資料に「顧問は、我が子よりもクラブの学生を優先している……感謝」の一文があり。学生はどう感じたかな。
昨日の計算結果が気に入らなかったのでやり直した。手順はまったく同じなのですぐに改訂できた。下のグラフを見れば何をやっているか一目瞭然で、楕円の標準形(1)式(図の緑色)を、(2)式のように回転・並進させると(3)式(図の赤色)で表せることが分かる。高校数学(私が高校生の頃は1次変換も高校範囲)しか使っていないが、自分が当時ここまで式をいじってグラフまで書けていたら大学受験もさぞかし楽しかったであろう。


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2006年10月3日
楕円の回転・並進
たまっている学会誌や雑誌類に目を通す。
『日本物理学会誌(2006 Vol.61 No.8)』のp581〜588に興味深い記事があった。弘前大学の浅田秀樹さんによる解説で、タイトルは「「観測的2体問題」の進展〜ある古典的未解決問題に対する厳密解の発見」。初等関数のみを用いて、天文観測的2体問題に対する厳密解を導出されている。宇宙や天文の分野にはド素人であるが、その視点の素晴らしさに感動した。高校数学を思い出しながら頭の体操ができた。
<以下 楕円に関する数学のメモ(防備録)>
楕円の標準形(1)式を、(2)式のように回転・並進させると(3)式が出る。

30°の回転はよく確認できるけれども並進が少し分かりにくいな……。変換式(2)式でx0とy0をx_barとy_barに組み込めば良かったと反省。パラメータの値も間違えたみたいなので明日再挑戦!
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2006年9月14日
円周率3.14の世界
数日ぶりに晴れて非常に爽やかな1日。日中に教材研究。放課後に校長と教職員の懇談会。17時半前から、第一顧問とテニスコートの草刈。本当は刈った草を乾かしてからゴミ袋に回収した方が良いのだろうが、試験休みが近いし、草刈について忘れたかったので一気に片付けた。
学生から「円周率は3で計算して良いですか?」と聞かれた。質問者がそもそも円周率の定義を覚えているのか心配であるが(苦笑)、少々ヒントをあげよう。
上図の一番右の図は一辺の長さがrの正n角形の一片である。余弦定理より
4倍長実数型を使用し、円周率が3.14159……であることを前提にして計算した。横軸にn、縦軸にπ´をとったグラフを下に示す。円周率3なんて正6角形、「円」なんてとんでもない。あまり変な質問しないように!
ちなみに、正8角形で3.0614……、正30角形でπ´=3.13585……である。さすがに30角形まで来ると円に見えるし(下図参照)、円周率を「3」でもなく、「3.1」でもなく、「3.14」とするのは高校物理程度ならば充分な近似であろう。
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2006年8月30日
ラミの定理の証明
午前中は学生のお相手。午後は物理実験準備室の大掃除、夕方に物理科の打ち合わせ。空き時間に頭の体操としてラミの定理を確認してみる。
力F_3を鉛直方向真下としても一般性を失わない。
力のつりあいについて、図の水平方向、鉛直方向においてそれぞれ考えると
自分はラミの定理を書籍で見たことがない(機械工学科の学生に教えてもらった)。簡単に証明ができるので、上で試算してみたのだが、この公式は美しいですな。3つの力で成り立つことが分かったので、次の興味は力の数が4つある場合はどうなるか?ということになる。4つの変数(F_1〜F_4もしくはθ_1〜θ_4)に対して式が3つしか出てこないので一般的に成り立たないことは容易に分かるが、もし成り立つような条件があるのならばまた面白い。時間があるときに探してみよう。
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2006年8月11日
科学技術館
高校時代以来なので十数年ぶりに科学技術館に寄った。参加体験型施設で一日中楽しめる施設である。お勧め。

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2006年8月4日
日本物理学会誌より
午前の部活、午後の個別指導(3時間半)の後、普段放置している『日本物理学会誌』の4ヶ月分を一気にまとめ読みした。個人的に気になった記事を紹介。
・編集部「日本物理学会誌投稿規定」(2006, Vol.61, No.4, p294-297)
物理学会誌で物理教育の話題が掲載されているが、シリーズ「物理教育は今」以外にも「授業の小道具」や「実験メモ」というジャンルがあることを知った。この2つの記事はあまり見た記憶が無い。きちんと目を通さねば。
・早川尚男、國仲寛人「マクロ物体の非弾性衝突〜はねかえり係数には危険が一杯〜」(2006, Vol.61, No.6, p428-432)
はねかえり係数の値は衝突速度に大きく依存することをシミュレーションモデルや最近のレビューを交えて紹介している。高校物理のテキストでは「はねかえり係数は衝突速度に依存しない」という表現が多いため、分かる人には大変面白い話であろう。
・松井淳「世界物理年イベント「アインシュタインの宇宙」の報告」(2006, Vol.61, No.6, p440-441)
九州大学物理学教室のイベント報告。福岡市立少年科学文化会館を借りての学外イベント、ガイドツアー、インパクトのある展示など、工夫されたアイデアには物理教員として勉強させていただくことが多かった。WEB(こちら)に当日の様子などが掲載されている。
・田崎晴明「物理と社会「ニセ科学」とどう向き合っていくか?」(2006, Vol.61, No.6, p525-526)
過激なタイトルに目を惹かれた。世の中には怪しい理論がたくさんあるのでご注意を。田崎さんのウェブページ(こちら)に関連資料あり。
・ニュース:篤志家から日本物理学会へ寄付(2006, Vol.61, No.6, p538)
京都府にお住まいの篤志家(個人:学会誌には実名記載)の方から学会に1千万円の寄付があり、ありがたくお受けしたとのこと。「若い研究者や院生を激励するために使っていただきたい」とのご意向。ありがとうございます!
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2006年7月2日
『なっとくする物理数学』
天気予報では雨だったので部活は休みとしたが終日曇りの一日。
物理数学を復習したくなり、先日高専の図書館で簡単そうな書籍を借りてきた。都筑卓司『なっとくする物理数学』(講談社)。図書館や本屋に行けば必ず置いてある本だが、手に取ったのは初めて。まだ1〜2章しか読んでいないが、著者が物理的な意味にこだわっているので、道具としての数学にとどまっていないのが面白い。慣性モーメントの計算(パズル)やLCR回路が第2章でいきなり登場するので、初学者にはとっつきにくい面もあると思われるが、一通り習った者やさらっと復習したい者には、お勧めできる本であると思う。
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2006年6月16日
ラミの定理を知る
昨日高専に来なかったらトラブルが起きていて本日慌てて対応する。前期中間試験中はSHRが無かったため事務的な担任業務なども多数あり、何かと仕事の多い一日だった。夜中にテストの採点を頑張ったのでこれで5クラス分が終わった。あと1クラス!
機械工学科の学生に「ラミの定理」なる公式
F1/sinθ1 = F2/sinθ2 = F3/sinθ3
を教えてもらった。さっそくこの公式を使って問題を解いてみたが、3力のつりあいの時に確かに便利である。明日あたり時間のあるときにでも証明してみよう。
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2006年5月18日
平成19年度用教科書
日中、有明高専で何十年も物理の教官をされていて、現在は某高専の校長先生をされているM先生にお会いする。ちょうど私が後任にあたるため数回しかお会いしていないが、大変素晴らしい先生であったと各所から聞いている。久しぶりにお話させていただいたが、大学院時代の恩師で尊敬してやまないW先生と同じ匂いがした。さもありなん。
各出版社から平成19年度用教科書の見本が届きだした。理科も数学も「チャート式」育ちの私は個人的にお気に入りの出版社があるのだが、その出版社の教科書『物理T』が改定されていた。中をパラパラとめくってみると、教科書の内容がずいぶんと充実(数式の数、カラフルで見やすい図表、渋めで格好よい配色)されていて驚いた。なんと言っても一番の変更点は、指導内容の順番が変わったことであろう。現在は「電気→波→力学」となっているが、この順番は高校教育現場からすこぶる不評であった。今回の改訂で、昔の順番「力学→波→電気」に戻っていたのだ。現場の一人として「よくやった!」と評価したい。文部科学省の薦める順番を無視した形になる(と思う)ので結構勇気のいる変更だったのではないだろうか。出版社の努力が感じられて、使用者としては非常に好感が持てる。
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2006年3月8日
スキージャンプの物理
来年度は1年生電気工学科(1E)の担任をやらせていただくことになった。本日は入学手続き説明会があり、新入生と初対面した。毎週授業で行っている1Eの教室だが、学生の緊張のためかまったく違った教室のように感じられた。本日は事務手続きが中心でほとんどコミュニケーションはとれなかったが、これから長い付き合いので徐々に話ができればと思う。新入生の皆様、まずは合格おめでとうございます!どうぞよろしくお願いします。
午後は成績送信処理をしつつ、合間に机上の物理理論を実際のスポーツ競技に当てはめて遊ぶ。
トリノオリンピックが終わってしまったが、スキーのジャンプやスピードスケートのコーナリングなどを見ていると物理的な理論値と実際の選手の記録を比べてみたくなる。そこで、スキージャンプについて、0次でちょこっと計算してみた。
図のようなモデルを採用し、滑走路の斜面の角度をθ_0、標高差をh [m]、および滑走距離をl_0とし、スキー板と雪面との動摩擦係数をμ、重力加速度をg [ m/s^2 ] とすると、飛び出す地点Bの速度v_B、滞空時間t_BC、飛距離lは、高校物理の簡単な計算よりそれぞれ
と求まる。適当にh = 138 [m]、l_0 = 380 [ m ]、θ_0 = 20 [degree]、θ= α= 10 [degree]、μ= 0.05としてみると、飛び出し速度vB = 175 [ km/h ]、滞空時間t_BC = 3.44 [ s ]、飛距離l = 167 [ m ] という数値が出る。トリノオリンピックではラージヒル男子でトーマス・モルゲンシュテルン選手がl = 140 [ m ] 飛んでいる。比較するとなかなかに面白い。空気抵抗、風の影響などなどを考慮すればさらに楽しくなるだろう。また時間のある時にでも。
【参考】
・駿台受験シリーズ『新・物理入門問題演習』
・白馬ジャンプ競技場
・回転滑走の力学
投稿者 NORI : 22:48 | 物理 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年1月25日
大気圧で遊ぶ
現在2年生の物理では熱の分野を進めている。ボイルシャルルの法則のところの余談として、昨日の授業では、減圧ポンプと注射器を使って大気圧を感じて遊んでもらった。簡易ポンプを自分や他の人の頬に当ててシュポシュポ空気を抜いて痛がっている学生の様子を見ていると、こちらもまだ若くいられそうだ(苦笑)。
【実験内容】
・減圧ポンプを使用してペットボトルやスチール缶をぺしゃんこにする
・40℃のお湯を用意しての減圧沸騰の演示
・気圧差を利用した水の移動(噴水)
などクイズ形式にて。真空を作ると面白い現象が見られるので、簡易減圧ポンプがあるといろいろと楽しめる。
(c)中村理科、大気圧実験セット (B型)
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2006年1月16日
2枚の刃
午前中の空き時間に日本物理学会誌を整理した。ずいぶんと普及しているカーナビ(などのGPS)システムには相対性理論が入っていることを知り驚いた[1]。衛星の時計Aと地上の時計Bの時間tA、tBの関係は
となる。
ただしΦは時計の場所での重力ポテンシャルの大きさ、vは時計の速度である。相対論の補正項が無ければ5分もすると、時計AとBとの見かけ上のずれが30ナノ秒になることになるとのこと。そのまま1日も使用すると位置の精度は2kmとなり、カーナビは全く役に立たなくなるという話。相対性理論は大学学部の時に導入部分だけ触れたが、まだきちんと勉強していないので、時間を作って理解せねば。
昼休みに学生から「どうしてハサミで物が切れるのか」という面白い質問を受けた。はさみは刃を2枚有しているのに、切れ目が1つになることが不思議に思ったようだ。ハサミの2枚の刃の間隔を広げてみると切れるのかどうなるのか、機会があれば実験してみたい。刃の切れ味にも依存するが、慣性の法則で2箇所切れるか、折れ曲がるだけで全く切れないか、はたまた1箇所だけ切れるのか。
参考文献[1]:日本物理学会誌 Vol.60, No.9, 2005, p741-742
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2005年11月30日
重力加速度の定義
放課後、物理科で物理実験に関する打ち合わせ。
途中で重力加速度gについて議論した。標準のgの値は9.80665[m/s^2]とされているが、この値は1901年に国際度量衡総会で定義されたということを本日初めて知った。
現在用いられている、この標準の値がどこの場所の重力加速度を示しているのかは調べ切れていないが、北緯45度の海面におけるgの値は980.619050[m/s^2](重力式1967)、9.80619920[m/s^2](重力式1980)となっている。「重力式1980」とは測地基準系1980の重力式を示す。
また、重力加速度は式
g=9.80616-0.025928cos(2φ)+0.000069cos^2(2φ)-0.00000308h
で示されるそうな(書籍では未確認)。θ=45°を入れてもg=980.619050[m/s^2]にならないので不明瞭な点もあるが(補正項がまだあるのだろうが)、重力加速度の定義について少し調べて勉強になった。
なお、理科年表に掲載されている、測地基準系1980正規重力式は
γ1980=978.03267715*(1+0.0052790414*sin2+0.0000232718*sin4+
0.0000001262**sin6+0.0000000007**sin8)
である。
参考文献:
・『理科年表2005』丸善
・『Wikipedia』
明日明後日と学会に参加する。アイデアと研究心を頂いてくるつもりだ。
(スパムがひどいので本日のエントリーに関してはコメント不可にしました。2007.5.25追記)
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