2009年6月2日
『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』
細野真宏(著)『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』扶桑社新書(2009)
大学の時に著者の『経済のニュ−スがよくわかる本 日本経済編』を読んでから、すっかり細野ファンになってしまった。「芸術的」とも表現できる分かりやすさで説明される著者の本は、読んでいてすっきりと頭に入っていく。本書では「サブプライムローン問題」と「年金問題」といった旬の2テーマを大きく扱っている。本書を読むことで、新聞やニュースを見たり聞いたりしているだけではなかなか見えてこない側面が見え、世の中のニュースが一段とよく理解できるようになると思う。高校生にも強くお勧めする。
・「サブプライムローン」とは、低所得者のように「信用力の低い個人を対象にした住宅ローン」のことなのです。
・「サブプライムローン」関連商品は、金利が高いのにリスクが低い「ローリスク・ハイリターン」な“優良な金融商品”となっていたのです!
・年金は「現役世代」からの「仕送り方式」という仕組みになっているため、将来、日本が「インフレ」になったりしていたも、私たちは安心して老後の生活を送ることが可能になるのです。
・コラム:年金は何歳からもらうと得することになるのか。
・年金……実は、「未納者」というのは、全体で見ると5%にも満たない!!
投稿者 NORI : 17:29 | 読書(教育) | コメント (2) | トラックバック (0)
2009年4月29日
高専辞典
7高専共同PRサイト「高専辞典」
http://www.kinki7kosen.jp/
近畿地方にある7高専(舞鶴高専・明石高専・奈良高専・和歌山高専・大阪府立高専・神戸市立高専・近畿大学高専)の共同PRサイトが立ち上がった。
引き継ぎが大変だろうから今後どのように発展していくのか温かく見守ってゆくが、現役学生が運営するというスタイルが真新しく、高専に興味を持つ中学生や保護者の方々への大きなメッセージとなるだろう。
投稿者 NORI : 20:45 | 読書(教育) | コメント (4) | トラックバック (0)
2009年3月17日
『「分かりやすい教え方」の技術』
藤沢 晃治(著)『「分かりやすい教え方」の技術』講談社ブルーバックス(2008)
「分かりやすい○○」シリーズでロングセラーを打ち出している藤沢さんの新作。
具体的な例が豊富で非常に分かりやすかったが、内容は入門向けで少々物足りない感じがあった(今までの「分かりやすい表現」と「分かりやすい説明」が良かったので今回も大いに期待していたせいもあるのだが)。
クラブの部長や、初めて家庭教師をやる学生さんにはお勧めの一冊でございます。
投稿者 NORI : 17:05 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年2月5日
『決断力』
羽生 善治『決断力』 角川oneテーマ21(2005)
昨年末「永世七冠」で話題になった羽生さんの著書。
将棋を通じて考えたこと・得たことなどを、一般化して記述している。プロ中のプロの考えることの一面が見えて読み応えがあった。
将棋は一手一手決断しながら指していくが、「大局観」という概念も含めると、まるで人生を表しているようなゲームのように感じる。羽生さんのようなすごいプロでも決断を迷う、もしくはどちらが良いか分からない場合があるのだ。
高専生は「高校でなく高専に行く!」という大きな決断をして全員入学しているはずだ。入学後は自分のことで決断を迫られる場面が多々出てくると思うが、一歩一歩前に進みつつ、「大局観」を持って自分の進路を決めていって欲しいと思う。
以下、備忘録。
・知らないフィールドで戦うほうが面白いのではないか。常識もマニュアルも通用しないカーナビが効かない場所では、自分の力を試されているようでもあり、充実感を実感できるはずだ。未知の世界に踏み込み、自力で考え、新しいルートを探し求める気迫こそ、未来を切り開く力になると私は考えている。
・勝負の世界では、多くの人たちに、どれだけ信用されているか、風を送ってもらうかは、戦っていくうえでの大きなファクターであり、パワーを引き出してくれる源である。
・ぎりぎりの勝負で力を発揮できる決め手は、大局観と感性のバランスだ。感性は(中略)さまざまな刺激によって総合的に研ぎ澄まされていくものだと思っている。
・人間は、生理的に同じマックスの集中力を維持するのは不可能だ。(中略)。かけ声だけで深く集中できるものではない。
・才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを維持することである。
投稿者 NORI : 23:59 | 読書(教育) | コメント (2) | トラックバック (0)
2008年11月4日
『続ける力』
伊藤真『続ける力 〜仕事・勉強で成功する王道〜』幻冬舎新書(2008)
著者は司法試験や公務員試験におけるカリスマ塾長とのことで、仕事や勉強で成功するための王道(脱・三日坊主)を伝授した一冊である。
・モチベーションの維持とは、正確には「モチベーションを上げること」ことより、「モチベーションの下げ幅をできるだけ小さくとどめること」といえます。
・剣道、書道、茶道、空手道といった「道」のつく世界では、修業の段階について、「守・破・離」という言葉があります。もともとは室町時代に能を大成した世阿弥の言葉と言われています。「守」とは、指導者の教えを忠実に守って、「型」をしっかり身につける段階のことです。そこで学んだ基本にオリジナリティを加えるのが「破」、さらに指導者から独立して自分の道を切りひらくのが「離」。この三つの段階を経て、初めて一人前になることができます。
・ポイントは、一枚ずつ順番にトップスピードに仕上げていくのでなく、落ちそうなところを食い止め食い止めしながら、平均してスピードを上げていくところにあります。
・加齢により記憶する機能そのものが低下するのではなく、感情の起伏が乏しくなるからだと、最近では考えられています。
など、今までの自分とは違って視点があり、大変参考になった。何かを始めても長続きしない学生さんに特にお勧めである。
投稿者 NORI : 17:14 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年9月16日
『すぐできる!教育ブログ活用入門』
中川 一史,、稲垣 忠『すぐできる!教育ブログ活用入門―おもしろかんたん学校からの情報発信』明治図書出版(2006)
ブログを通じて学校の情報を発信しいる実例を元に、教育ブログの魅力が語られている。FTPでファイルをアップロードする方法だと担当者が転勤したときに対応できないという事情があるため、今日びの情報発信はFTPを使わないコンテンツマネジメントシステム(CMS)が主流になっているという。
・データベース不要のフリーのお勧めブログツール「Blogn」
・スクール+ログ=スクログ
・携帯からブログに記事を投稿することが出来るサービス「ubicast Blogger」
・Blog投稿クライアント「BlogWrite」
など、便利なサービスを知ることができ、大変勉強になった。
投稿者 NORI : 22:48 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年9月4日
『誰でも簡単にできる学校Webサイト活用法』
石塚丈晴、堀田龍也『誰でも簡単にできる学校Webサイト活用法』高陵社書店(2005)
学校のWEBサイトのあり方について熱く語っている本で、なぜ学校WEBサイトが必要なのか、どういう運営体制をとればスムーズに管理していけるか、等がよく分かる一冊になっている。データがしっかりと載っており、引用された出典が明記されている点に好感が持てた。今時のの学校WEBサイトにはコンテンツマネジメントシステム(CMS:Content Management System)の適用を進めていて納得した。
J−KID大賞(全日本小学校ホームページ大賞)というものがあるのを知った。
http://www.j-kids.org/home_nf.html
投稿者 NORI : 13:58 | 読書(教育) | コメント (2) | トラックバック (0)
2008年8月24日
『察知力』
中村俊輔『察知力』幻冬舎新書(2008)
現役サッカー選手の中村俊輔選手の本。サッカーファンでなくても中村選手のフリーキックのすごさは一度はテレビで見たことがあるだろう。サッカー競技というスポーツや海外での生活を通じて成長していった経緯が自分の言葉で書かれており、著者の切実な思いが伝わってきた。
「察知力」、「引き出し」という言葉が本書のキーワードになっており、転載すると
・常に未来を察知して、自分には何が足りなくて、何が必要なのか、危機を察知して準備すること、周囲の空気を読む、察知する力が重要である。
・体験を重ねさえすれば引き出しは増やせるはず。しかし体験しただけじゃ引き出しは増えない。その体験を未来にどう活かすか、足りないことを補い、できたことをもっと磨く。そういう意識がなければ引き出しは生まれない。
大変面白かった。
投稿者 NORI : 17:40 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年8月8日
『シンプルに使うパソコン術』
鐸木能光『シンプルに使うパソコン術』講談社ブル-バックス(2007)
パラパラと立ち読みしたところ「Visitaは使いづらい」という点で共感したので購入したが、フリーソフトの案内本だった。著者が実際に使っている感想が書かれており、解説が非常に分かりやすかった。学生さんはこれからパソコンを使う機会が増えると思うが、この本を読めば世の中には便利なフリーソフトがたくさんあることが分かるだろう。
気になったフリーソフト
・メールの同時送信に便利:MailSS
・WEBアルバム:zphoto
・タグ打ちエディタ:alphaEDIT、ez-HTML
・コピー履歴:QTClip
・スクリーンショット:WinShot
・ファイル相違点比較:DF(でふ)
・GREP:Devas
・画像ソフト:IfranView
・多機能プレーヤー:KbMedia Player
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2008年8月7日
『ロボットが教室にやってくる』
荒木貴之『ロボットが教室にやってくる―知的好奇心はこうして伸ばせ 立命館小学校のアイディア』教育出版(2008)
立命館小学校ロボティクス科が企業と連携してロボット教育を行ってきた記録本である。
写真が多く、小学生の豊かな表情が伝わってきて良かった。有明高専の機械工学科でも小学校にロボット作成のお手伝いの機会を設けているが、小学校低学年でもロボット作成を通じて知的好奇心や創造性が養えるのだと感心した。
小さなコンピューター「クリケット」やプログラム言語「スクイーク」、「レゴミニセット」や「レゴサイエンス&テクノロジー基本セット」や「教育用レゴマインドストームNXT」、ワークショップのパッケージ「CAMPACO(キャンパコ)」など、教育に関するツールも豊富に紹介されていて、読み応えがあった。
「CSR(企業の社会的責任)」が後半のキーワードとなっていて、第2部のタイトルは「企業と学校がつくる教育プログラム」である。教育機関と積極的に連携する企業には、「共働型」「支援型」「社会活動型」という3つのタイプがあるようだ。
投稿者 NORI : 23:39 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (1)
2008年7月11日
国立青少年教育振興機構メールマガジン
国立青少年教育振興機構「国立青少年教育振興機構メールマガジン」(創刊号:2008年5月)
国立青少年教育振興機構が行う事業や、青少年教育に関する情報が掲載されたメールマガジン。今年度創刊されたばかりで注目を集めている。子ども達にはたくさんの経験が必要だと考えているので、このような情報がメールマガジンでいち早く届くと便利であろう。高校生(高専1〜3年生)向けのリーダー研修会も行われており、学生も機会があればぜひ参加してもらいたい。
https://www.niye.go.jp/mmaga/index.php
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2008年6月28日
『対話で心をケアするスペシャリスト≪精神対話士≫の「ほめる」言葉』
財団法人メンタルケア協会『対話で心をケアするスペシャリスト≪精神対話士≫の「ほめる」言葉』宝島社(2008)
「精神対話士の」という副題に惹かれて買ってみた。内容はタイトルの通りで、非常にシンプルで分かりやすかった。ほめ上手になる185の表現を具体的に示している。落ち着きがなく、問題行動のある子ども・若者が多い今の時代、人をいかにほめて伸ばすかが大事なんじゃないかと思う今日このごろである。面白かった。
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2008年6月17日
『14歳からのお金の話』
池上彰『14歳からのお金の話』マガジンハウス(2008)
中学生でも読めるように、1つのテーマを4コママンガと簡単な解説で構成し、見開きの読み切りという形で作られている。内容はお金の誕生物語から始まり、最後は「何のために働くのか」という話まで展開している。いずれのテーマもシンプルに説明しているのでサクっと読めて非常に好感が持てた。新しい本なので「現代」の視点で書かれており、説明も分かりやすいと思う。
ところで皆さんは借金時計というものをご存知であろうか?この本でも国の借金のことに触れているが、借金時計を一度見てみていただきたい。さぞかし驚くことだろう。
借金時計、たとえば↓
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clock.htm
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2008年6月13日
『「教育格闘家」宣言!』
島田信行『「教育格闘家」宣言!』毎日ワンズ(2008)
辰吉丈一郎を世界チャンプにしたボクシングの名トレーナーによる著書で、ボクシングの若手育成を通じて感じたり経験したことが教育そのものに通じていたことを語っている。「親が反対している」などというボクシング特有(と思われる)の悩みへの答えなど、観点が非常におもしろく、一気に読めた。
「ボクシングも教育も、自分の指導法、さらには人間性を理解してもらうところから始めないといけない」という部分は共感できる部分であったし、「悩みは人がつくる、だから人で解決できる」という文句も納得できた。
投稿者 NORI : 10:08 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年5月29日
『バターはどこへ溶けた?』
ディーン・リップルウッド『バターはどこへ溶けた?』道出版(2001)
『チーズはどこに消えた』と同じようなイラスト、厚さ、見た目、タイトル、登場人物という構成で、内容も似たようなものかと思って読んだが、まったく別物であった。
チーズは臨機応変に生きよ、バターは身近な幸せを楽しめという主張だと感じたが、話がシンプルなので奥深くいろいろな解釈ができると思う。身近な幸せはドタバタしないと見えないというのもおもしろい点だと思う。
薄い本なので普段本を読まない人でも漫画感覚で読める。お勧め。
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2008年4月18日
『チーズはどこへ消えた?』
スペンサー ジョンソン、門田 美鈴『チーズはどこへ消えた?』扶桑社(2000)
当時大ブームとなった書籍である。日本語訳の売上はなんと350万部?というのだからすごい。当時学生だった私はその薄さに魅かれて大学生協で原書を買って読んだのだった。
社会人になってから改めて日本語訳を読んだが、やはり面白かった。物事の変化に対して、常に臨機応変に対応せよと説いている本。学生を見ていて「放置」の状態が気になることが多々ある。若いうちは特に意識して物事の変化に対応していければ、と思う。
とても薄い本なのでさっと読め、お勧めである。
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2008年3月27日
『世界一やさしい問題解決の授業』
渡辺健介『世界一やさしい問題解決の授業』ダイヤモンド社(2007)
「問題解決能力の育成」は今日日、教育界でもビジネス界でもブームである。前者では「PBL」、後者では「地頭力」といえばピンと来る人も多いのではないだろうか。
本日紹介する一冊も問題解決に関する書籍である。帯の文句は「世界最高峰のコンサルティング会社で学んだ問題解決の考え方を中高生にもわかるように解説しました。学校では教えてくれない考える力のトレーニング」とある。なるほど具体的な事例を3つ挙げて説明しており、非常に分かりやすかった。高校生にちょうど良い本だと思う。考えるツールとして「分解の木」、「はい、いいえの木」、「課題分析シート」、「仮説の木」、「よい点、悪い点リスト」、「評価軸×評価リスト」を紹介している。これらのツールを使いこなせるようになれば、「考える力」がかなりのものになるだろう。
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2008年3月18日
『脳を活かす勉強法』
茂木健一郎『脳を活かす勉強法』PHP研究所(2007)
著者は脳科学者であり、脳のしくみを活かした勉強法を公開している。特に
(1)「ドーパミン」による「強化学習」によって脳を強化する。
(2)「タイムプレッシャー」によって、脳の持続力を鍛える。
(3)「集中力」を徹底的に身につける。
という3つの観点から明快な説明をしていて非常に参考になった。
ステュディオス、一回性、ピアプレッシャー、ミラーニューロン、オープンエンドなどなど、所々に専門用語がちりばめられ、本の中にも変化があって楽しめた。
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2008年3月5日
『大学新入生に薦める101冊の本』
広島大学総合科学部101冊の本プロジェクト『大学新入生に薦める101冊の本』岩波書店(2005)
帯に書いてある、“「文理横断型」の知を強調するユニークな読書案内”とはまさにふさわしい表現で、いろいろなジャンルの本があり、パラパラとめくっていると楽しくなってくる。
101冊のうち、私はまだ10冊くらいしか読んでいなかったが、この本の紹介文を読んで全部読みたくなった。
最後の章にある「本の買い方選び方」も実用的で良かった。
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2008年2月27日
『本を読む本』
M.J.アドラー(著)、外山 滋比古(訳)他『本を読む本』講談社学術文庫(1997)
1940年の初版以来、多くの人々に親しまれている『How to Read Book』の翻訳(だだし、この『本を読む本』は1972年の改訂版の翻訳)。読書家ならいつかは手に取っているはずであろう、古典的名著である。
「読書技術には“手助けなしの発見”のために必要な技術がすべて含まれている」と断言することから始まり、読書法を「初級読書・点検読書・分析読書・シントピカル読書(比較読書)」と4つのレベルに分けて、それぞれについて解説している。
速読、フォトリーディング、多読術などなど、今日び本屋に行けば多数の読書法の本が並んでいるが、本書には読書に関するすべての基本となる部分が詰まっている。いろいろな書評を見ていると「もっと若いうちに読めば良かった」と感想が非常に多い。私も就職してから読んだが、学生の頃に読んでいたらさぞかし幸せであっただろう。かなり硬派の本であるが、この春休みにぜひ読んでみることをお勧めする。
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2008年2月25日
『“学生”になる!』
浦上昌則『“学生”になる! 進学が決まった時に読む本』北大路書房(2006)
昨日は入学試験(学力)が行われた。推薦入試も既に終わっており、高専への入学が決まっている中学生も少なくないだろう。本日はそんなタイムリーな書籍の紹介。
発達心理学者から、これから学生となる人へのメッセージが込められた一冊。学者の書いた本はとっつきにくいイメージがあるが、非常に優しい文体で挿絵もあり、正論で味わいのある内容になっていた。
高専では1〜3年生を「生徒」でなく「学生」と呼ぶ(4〜5年生ももちろん「学生」と呼んでいる)。それは教員が教え子を自立した立派な大人として扱っているから。これから高専に入学してくる学生にもぜひ読んでもらいたいと思う。
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2008年2月21日
『小さいことにくよくよするな!』
リチャード カールソン、小沢 瑞穂(訳)『小さいことにくよくよするな! しょせん、すべては小さなこと』サンマーク出版(1998)
学年末試験が終わり、本校はいよいよ明日が終業式である。学年末試験の答案返却が各教科で済むにつれて、学生達の今後(進級・留年・進路変更など)が決まってゆく。試験の結果が思うようになっておらず凹んでいる学生も多いが、そんなときにお勧めなのが本日の一冊。世界的なベストセラーで、続編も出版されている。
人生や計画した予定などは、予定通り・想定どおりにいかないのが当たり前という基本スタンスをとって、100項目の提案(戦略!!!)を示している。分かり易い文章には押し付けがましさが一切無く、さらりと読める。著者の逆転の発想には私もずいぶんと唸らせられ、大変面白かった。
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2008年2月11日
『なぜ勉強するのか?』
鈴木光司『なぜ勉強するのか?』ソフトバンク新書(2006)
Q:勉強は何のためにするのか?
A:理解力(読解力)・想像力(記憶力)・表現力を向上させて、リテラシー能力をつけるため。その結果、社会をよりよくするため。
と序盤で明言し、若者へのメッセージを述べている。ホラー作品『リング』で知られる著者による教育本であることに、ギャップも楽しめた。
「入力・分析・出力の思考プロセスを身につけるために勉強するのだ」という私の持論とほとんど同じと理解したが、その先にある「社会を良くするため」までは私の頭にも無く面白かった。若い人にお勧めの本であるが、重いテーマの実例もあるので中学生にはちょっと難しいかもしれない。
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2008年2月2日
『夢を実現する技術』
若者にはぜひ夢を持って欲しいと常々強く思っており、担任としてホームルームの時間を利用して将来について考えるきっかけ作りのお手伝いをしている。昨年度は「5年後の自分への手紙」、今年度は担任会に提案して「未来年表」の作成をした。本日はそんな夢の実現に関する書籍の紹介。
藤沢晃治『夢を実現する技術』PHP新書(2007)
ブルーバックスの『分かりやすい説明の技術』シリーズで大好評だった著者による最新作。夢を持つことの重要性から実現に至るまでの基本的なノウハウを分かりやすく述べている。特に、初期抵抗のメカニズムとして「適切な助言をもらえない多くの若者は、初期にだけにしかない「ペダルの重さ」が永続するものと勘違いしているのです。」という一文に共感を覚えた。物事を始めてもすぐに諦めてしまう人が少なくないが、夢の実現に向けてコツコツと続けてもらいたいものだ。
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2008年1月31日
『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』
山脇由貴子『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』ポプラ社(2006)
発売されてから1年と少し経っているが、未だに本屋の教育コーナーで平積みされている。東京都児童相談センター心理司の著者が実際に受けた相談を元に、現代の典型的ないじめの実態を紹介している本。切実な話題が多く、いじめの実態を読んでいて気分が悪くなった。
いじめといえば私の世代では、「いじめられっ子・いじめっ子・傍観者」の3者の構図を真っ先に思い浮かべるが、現在は「ひとり」対「クラス全員」というのが典型的ないじめのパタンとなっているという。多くのいじめに共通しているのは、いじめが進行してゆく中で、被害者がいじめられる理由が作り上げられてゆくということである。結局「いじめに理由は無い」のである。
いじめの解決と責任追及は別々に行う等のアドバイスや、「いじめに気づくチェックリスト」など、ハウツー本としても有効な一冊。
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2008年1月24日
『瞳スーパーデラックス―13歳のがん闘病記』
猿渡瞳『瞳スーパーデラックス―13歳のがん闘病記』西日本新聞社(2005)
副題にある通り、13歳のがん闘病記である。学生から薦められて読んだ。がん告知後に「青少年健全育成弁論大会」で発表した作文「命を見つめて」に心を打たれる。
小学校・中学校と大牟田市で過ごした方であり、有明高専近くの地名も書中で見られる。この書籍に余計な書評はいらない。とにかく読んでみよう。
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2008年1月17日
『モンスター・ペアレント―ムチャをねじ込む親たち』
本間正人『モンスター・ペアレント―ムチャをねじ込む親たち』中経出版(2007)
「モンスターペアレント」という言葉をよく聞くようになった。モンスターの登場は学校だけでなく社会全体で問題になっている。校則を平然と破る学生は「モンスター・スチューデント」とでも呼ぶのだろうか?論理や常識が通じないので指導には非常に苦労しているが、この本を読んで彼らの心理が少し見えた気がする。大変実用的な内容であった。
自己中心的なモンスターがなぜ増えているか、また、どうずればモンスターにならずに済むかという分析も掲載されている。中でも「コミュニティの解体・貧困化がモンスターが生まれやすい土壌を作っている」という説や「ほとんどのモンスターは心に不安を抱えている」という箇所には共感を覚える。有明高専の学生には、高専生活で何か一つでもやり遂げて、自信を持って社会に出て欲しいと願う。
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2008年1月7日
『「超」勉強法』
野口悠紀雄『「超」勉強法』講談社(1995)
約10年ぶりに読み返した。当時、野口さんの大ファンで「超」シリーズ(整理法1〜3や旅行法など)は全部読んでいた。本日の一冊もその「超」シリーズの1冊であり、タイトルの通り勉強法に関するものである。少し古いので社会人には最新の類書を勧めるが、本書は受験勉強について大きく触れているという点で現在でも学生にお勧めである。現在はこのような書籍が特にビジネス書籍の部門でたくさん並んでいるが、当時は少なく、斬新な内容に驚いたことを強く覚えている。
教員になって読み返してみて目に留まったのが、p.240のコラム(下記に転載)であった。当時は素通りした箇所だったが、立場が変わると視点も変わっていて面白い。
【間違い教師の教育効果】
黒板に数式を書いている途中で教師が間違いに気づき、最初から書き直す羽目に陥るときがある。教師として、これは誠に不恰好なものだ。しかし、これには、大きな教育効果を見いだしうるのである。(中略)。このように教師が間違えると、教師の思考過程が外に現れる。これは学生としてはまたとない機会なのである。普通、教師が間違えると、学生は黒板から目を離してざわざわと話し始める。これでは、千載一遇の機会を逃していることになる。
なるほどねぇ……納得。物理だったら「次元」を考慮すればすぐに間違いが見つかる(はずだ)が、黒板で間違えたときは学生にチャンスを与えていることになるのだな〜(苦笑)
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2008年1月6日
『親の品格』
坂東眞理子『親の品格』PHP研究所(2007)
年明け1本目は家庭に関する本の紹介。
「品格を持った人間を増やすためには、まずは家庭で親が品格について教えることができなければならない」という趣旨のもと書かれた本で、2007年のミリオンセラー『女性の品格』の著書による続編である。
内容はごくごく当たり前のことしか書かれていないが、基本的な教育方法の共有という点で、夫婦間はもちろん、教員、さらには日本国中の大人に読んでもらいたいと思う。
しつけや教育で大事なポイントは一貫性であり、また、子ども達の長所を発揮できる機会を作ってやることが大人の仕事であることを改めて感じた。
教育は家庭と学校との連携が大事であることを再認識した。
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2007年12月22日
『いのちにふれる授業』
高塚人志『いのちにふれる授業』小学館(2004年)
2年前のFD研修ではコミュニケーションを身に付けるための話があったが、そのときに名前が出たのが赤碕高校(現在は閉校になっている)であった。調べていたらこの書籍にたどり着いたので手にとってみた。著者は日本における「コミュニケーション授業」のカリスマ的存在であり、本書はその授業の8年間の記録である。「気づき」をテーマとした、園児や高齢者とのふれあいを通じて生徒が成長している様子が非常によく伝わってきた。ぜひ私も実践してみたいと思ったが、ただ一点注意しなければならないのは、このような人間関係作りを授業として扱うには、継続的に実施する必要があるとのことだ。ホームルームやイベント等で単発でやったのでは効果が無い。毎回現場で指揮を執る教員の苦労が伺える。
継続的なコミュニケーション授業(人間関係体験学習)は日本でもまだ珍しいが、その評判からこのような取り組みが全国に広がっている。技術者を目指す高専生もぜひ読んでみてほしい。
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2007年12月21日
『だから、僕は学校へ行く!』
年内授業最終日にて短縮授業。大掃除後の全校集会では教務主事から「学習」は自動詞、「教育」は他動詞というスピーチがあり、学生達も聞き入っていた。
さて本日の一冊。
乙武洋匡『だから、僕は学校へ行く!』講談社(2007年)
学生の時に読んだ『五体不満足』では体に障害を持つ人の思想・考え方に衝撃を受けた。著者が大学卒業後はスポーツライターになって活躍していたのはテレビなどで見かけていたが、教育の世界に興味もあったことを知ったのはつい最近であった。本書は「新宿区子どもの生き方パートナー」として教育現場を見て来た報告や感想等をまとめた内容になっている。例えば体罰など、教育全般に関してよく調べて書かれているので、教育に明るくない人にも学校の現状が分かるであろう。
著者は今年度からは東京都杉並区の小学校教諭になられており、今後の現場からの報告も楽しみである。
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2007年12月20日
『「朝30分」を続けなさい!』
古市幸雄『「朝30分」を続けなさい!』アスコム(2007年)
著者のベストセラー『「1日30分」を続けなさい!』の続編にあたる本である。上記ベストセラーはまだ読んでいないが、「中学・高校・各種塾・予備校・専門学校の教師が多数、同著を生徒に推奨している」とも紹介されており、学生や学校関係者の間でも読まれていることが伺える。
このような背景があって本日紹介している本を手に取ったのだが、内容はコツコツと真面目に勉強することが一番であるということをひたすら述べているものである。一番印象に残った箇所は、「勉強の成果」=「教材・サービスの質」×「集中力」×「勉強時間の2乗」で表されるという発想であった。勉強時間が2乗で効いてくるのには私にはピンとこないのだが、いろいろと成功している著者の言っていることなので妥当なところなのだろう。朝は「集中力」の要素が強いので勉強の成果が大きくなるのだと理解した。また、コツコツ続けて変化が出始める時期(クリティカルポイント)は15ヶ月後という目安の提示も新しいと思う。この15ヶ月という数値も著者の経験から出たものであり、本当なのかどうかよく分からないが妥当なところなのだと思う。
教育関連書でなくビジネス書の部類に入るのだが、有明高専でも冬休みの目標に「早寝早起き」と書いている学生がいたので紹介した。この書籍を読めば朝の時間を有効利用したくなるだろう。
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2007年12月10日
『オール1の落ちこぼれ、教師になる』
本日から書籍紹介を徐々にしてゆこうと思う。
宮本 延春『オール1の落ちこぼれ、教師になる』角川書店(2006年)
本日の一冊は、中学の時にオール1を取っていた著者が、母校の教師になって活躍し始める話である。中学卒業後に働きながら定時制高校で勉強しつつ、国立大学入学後、大学院の博士課程まで進学して高校教師になったと聞けば、それだけでかなり異色の教師だと認識できるであろう。
前半では教師になった過程、後半では教師としての教育論が繰り広げられているが、すべて実体験に基づいた話であるため、全体的に説得力があり、非常に読み応えがあった。人間何をやっても最後は人の支えやつながりが大事であることを改めて感じることができた。この本が著者のデビュー作であるが、後に書かれた2冊の書籍もぜひ読んでみたいと思う。
投稿者 NORI : 23:45 | 読書(教育) | コメント (0) | トラックバック (0)